Kiss★恐怖症

「とりあえず、日も暮れてきてるし、帰ろーぜ」


「そうだね」


私たちは立ち上がり、鞄を持って保健室を出た。


部活も大半が終わっているのか。


学校内はとても静か。


私たちの足音だけが、無常に響く。


生徒玄関で靴を履きかえ、校門へ。


「…直樹…」


「ん?」


「私さ、直樹を子供だと思ったらキスできるかな…」


「うん…え!?俺が子供!?」


子供と勘違いするだけで、頬にキスできてしまった。


なら。


直樹を子供だと思えば、いけるんじゃないかなーっと。


口は無理だとしても、頬ぐらいだったらさ。


「ん―…なんか複雑」


「えっ」


「だってー。子供にキスするようにってことは、俺関係なくね?」


「仕方ないじゃん。じゃないと、出来ないんだもん」


「…俺がいると認識している状態でキスしなきゃ、キスじゃないってことな」


「はーっ!?何よ、それ!!」


「いいんだよ、それで」


鞄を肩の後ろにまわす。