――あれは、中学1年生の冬の季節。


もう暗くなるのが早い。


あの日、私は一人で駅から帰っている途中のだった。


友達と遊んでいたせいか気分は浮かれ気分。


メールをしながら、いつもの道のりを歩く。


そして、いつもの薄暗い短めのトンネル。


さすがに一人なので、無言。


だが、メールに夢中で周りに意識がいっていなかった。


そして、トンネルの真ん中部分へと差し掛かろうとしたとき、悲劇は起きたんだ。





私は後ろから、いきなり腕を捕まれた。


「え…ちょっ……」


そしてまだ何もわからないまま、私は頭の上で腕を持たれ、壁に押し付けられた。


携帯落ちた音だけが、虚しく響く。


「…い…っゃ…」


声がでない。


いざ怖い目にあったとき、声が出ないとはまさしくこのことだった。