♪〜♪

「……ッ…」



喫煙所に戻りタバコを吸っていると携帯が鳴った。


真由が早く買い物が終わって電話してきたのかと思うこともなく
すぐに誰からなのか分かった。


着信音はみんな一緒だけど…


1人だけ違う人がいる。


もう何年も掛かってくることがなかった相手だ。



ーピッ
「はい…?」

『悠里?』

「…ッ」



また泣きそうになった。


携帯の向こうから聞こえてきた声は懐かしい…


昔、私が好きだと思ってた人の声だった。



『元気だった?』

「元気だよ。和は…?」

『元気だよ』



久しぶりに聞いた和…
和樹(かずき)の声は昔に比べて少しだけ低かった。



『電話で話すのって何年ぶり?』

「4年かな?」



そう…


和樹と最後に電話したのは4年前の…


クリスマスイブだった。


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