【短】雪 と 同 じ よ う に 〜 降り積もる想い 〜









首を縦に振ることも横に振ることも出来ずに


やっと俺が口にしたことは、



「送る。」



それだけだった。




車の中は行き掛けと打って変わって気まずい雰囲気が流れる。


静かに流れるラジオのラブソングにイラつきを覚える。



車を走らせながらも視線を彩花にやった。



彩花は遊園地で俺が射的で取ったクマの縫いぐるみを大事に抱きしめていた。



なんで、抱きしめてんだよ。




彩花、お前が分かんねえよ。




だから聞いたんだ。




「なぁ………なんで別れなきゃなんねーの?」



って。



静かな車内で急に話出した俺の声に身体を揺らしながらも、彩花は言った。





「ごめんね」と。