- 綾斗は車の免許を持っているが 今日は何故か電車移動だった。 いつの間にか綾斗が切符を買っていて 「どこに行くの?」そう何度も聞いても、 「さぁ?」と怪しげな笑みを浮かべるのみ。 ほんと自由人よね… そんなことを思いながら、ぎゅっと綾斗の手を握った。 握り返してくれた綾斗の手はすごく温かくて新鮮だった。 「……好き」 「ん?」 短い言葉だけど、伝えることの難しいこの言葉。 貴方の耳に届く前に風に流されていった。 この想いがちゃんと届いてることを知らずに私はそう思った。 -