【なつめ】
「…さくら…まだ食べるの?」
「ん?ふひほむ!!(もちろん)」
さくらと出店を回ること1時間……
“りんご飴!!”
“お好み焼き!!”
“イカ焼き!!……”
目にも止まらぬ速さで食べている親友を見ているだけで、私はお腹いっぱいになる。
「なつめ、全然食べてないし…まさかっ…!!…具合悪い…!?」
「悪くないよッッ!!至って健康!!」
…さくらこそ、そんなに食べててお腹痛くないの?
…という疑問は杞憂であることは長年の付き合いで学習済みだ。
「そういえば、水野先生と回ってどうだったの??」
「ぐっ…!!」
「さ、さくら!!大丈夫!?」
私の質問に過剰に反応した親友は盛大に咳こんだ。
「いや…その……」
顔を真っ赤にするさくらを見て、私の好奇心は高まった。
「やっぱり男の人って、小柄で女の子らしいのがいいんでしょ…??」
「…そう…なの?」
(…水野先生は違うと思うけど……)
「…だから、私が大食いって知ったら嫌われちゃうと思って…」
「思って……!?」
なぜか自分も緊張しながら、さくらの言葉を待つ……
「先生の前では食べるのを抑えたの!!」
「………」
………ど こ が !?
「食べ足りなくて、なつめと回ろうと思ったんだぁ〜アハッ!!」
さ、さすが、色気より食い気のさくら…!!
って…ちっがーう!!
「そうじゃなくて、水野先生と何か進展あった?…って聞きたくて…」
すると、さくらは即答…
「…食べることしか考えてなかった…」
