なつめと伊達は、思う存分学祭を満喫した。


「そろそろ教室に戻りましょう、先生」



「あぁ……」



「どうしたんですか?」



なつめの問い掛けに、伊達はゆっくりと応える。







「ありがとな、一緒に回ってくれてさ。」



笑顔だったが、無理に笑顔を作っている伊達をなつめは黙って見つめる。




「…いや、なんか言っとかないと後悔する気がしてな…。」



こんなの、俺らしくないよな!!


と、言う伊達になつめは、




「こちらこそ。…いい思い出が出来ました」



「猿飛……?」




「……誰かさんの雰囲気に影響されたみたいで」



そう言って、なつめが背をむけて歩きだす。



「はやく戻りますよ、先生。…おいてきますよ?」



その言葉に笑いながら、伊達が言った。




「お前が俺の先を行くなんて、百万年早いからな!!」




2人が教室にもどってからも客足が途絶えることはなく、大盛況で、



35HRは、出し物部門学園1位に輝いたのだった……