桜ノ宮学園は、ついに文化祭当日を迎えた。



あと1時間で本番という時に、3年5組からは歓声が上がっていた。




「すてき――!!!!!」



「なつめ様ぁああ――!!」




その歓声の原因は、なにを隠そう、毎度お馴染みのなつめだ。




しかし、今日のなつめは一味違う。

……なぜなら……












「おかえりなさいませ、お嬢様…?」





「「キャァアアア―!!!!!」」




黒いスーツを着て、ネクタイを締め、髪も後ろで1つにまとめている。



……まさに、模範的な執事の格好をしていたのである。






「なつめ!!本当にかっこいいよ!!…惚れちゃいそう…」






「さくらお嬢様…。そのようなお言葉、執事の私には、もったいのうございますよ?」



「!!」



相当乗り気ななつめの言葉に、さくらを含めた女子は顔を赤くして崩れ落ちる。




男子にほほえむと、あっけなく男子も崩れ落ちた。







「相変わらず派手にやってくれてるなぁ、猿飛〜」




「おはようございます先生……!?」



伊達の格好を見て、なつめは固まった。