主将と顧問の試合とあって、
部員全員が正座をしてコートを囲んだ。
「構え……
……始めッッ!!」
水野の号令と共に、激しい打ち合いが始まった。
まるで本当に昔の戦いのようで、誰もが黙って魅入ってしまう…
そして、その打ち合いは、舞のように美しかった……
かれこれ、30分ほど打ち合っていただろうか…
延長戦を続けるものの、一向に決着がつかない。
「止め、そこまで!!」
水野がストップをかけ、両者は竹刀をおさめ、互いに礼をした。
「なかなかやるな、猿飛…」
「先生こそ…濃先生の上なだけありますね。」
二人が向かい合って笑っていると、他の部員が駆け寄ってくる。
「猿飛先輩!!素敵でした…!!」
「なつめ様!!タオルどうぞ!!」
「スポーツドリンクどうぞ!!」
そんな部員に、なつめは微笑んで、
「ありがとう!すごく嬉しいよ」
笑顔にやられて崩れる部員たち…
「猿飛って罪なやつだよな…」
「ほんと、そうですねぇ……」
「…なつめですから…」
「なにが罪なんですか、伊達先生!!」
(その無自覚さだよ……!!)
顧問2人とさくらはガックリと肩を落とした…