あれほど満開だった桜たちも、すっかり散って、緑の葉をつけている。


5月―――


桜ノ宮学園の道場からは、竹刀の打ち合う音と、

剣士たちの声が鳴り響いていた。

パァン………!!!



「1本!!勝負あり!!」



2人の剣士は互いに礼をして、面を外した。



「やっぱり、なつめには勝てないよ」


「そう?今日のさくらは手強かったよ?」



汗を拭きながらなつめが言う。

「インターハイ近いし、お互い頑張ろうね!!」


そう言ってさくらは休憩をとりに部室に行った。



「相変わらず、強いな猿飛」


「いえ…まだ、私は弱いです。私は
もっと強くならないといけない」

すると、伊達は言った。



「ちょっと手合わせする?」


「え?」


「まだ、手合わせしたことないし、俺もなまっちゃうしな!!」


「…それじゃ、お願いします。私も負けるワケにはいけませんから」


「それじゃ、水野先生。審判お願いできます?」


「はい、分かりました。

…両者…前へ…」