俺の机には、小さな紙袋とカップラーメン。

チョコって、いくつになっても嬉しいもんだな。


「石原さん。大沢くんに気があるよ。」


隣で、弁当を食べていた寺井が、ボソッと言った。


「え?そうですか?」

「気付かないの?鈍感だなぁ。」

俺の方に、箸の先端を向けながら、口をもごもごさせている。

話題を変えよう。

「寺井さん。いつも弁当ですよね。全部、手作りですか?」


「そうだよ〜。いつも早起きして、作ってくれるんだ。それにしても、杉田さんは奥さんいるのに、いつもコンビニ弁当。早く起きるのが、嫌なんだって。可哀相だよね〜。」


この人の凄いところは、本人がいても、関係なく声に出すところ。

少しは考えて喋ってくれ。でないと、俺まで恨まれそうだ。


杉田さん、今日は食堂だな。