公園に着くと、2つ並んだブランコの1つに、和佳は1人座っていた。
「ごめーん!遅くなっちゃった。ジャーン!この前オープンしたパン屋さんで買ってきたんだ。和佳、食べたいって言ってたでしょ。」
「ごめん、今は腹減ってない。」
あれれ??
いつもなら『いただき!』とか言って、人の物まで奪って食べたりする時もある和佳が、いらないなんて。いつもの元気がない。
「私、できちゃった・・・。」
和佳は、下に向けていた顔をゆっくりと上げ、
「赤ちゃん、できた。」
「・・うそ!?すごーい!おめでとう、和佳。」
「別にすごくないけどさ。」
そう言って笑うだけで、心の底から喜んでいるのは私だけだった。
