カラオケボックスだって初体験だよ。 みんな、慣れた様子で部屋に入っていく。 女の子茉里とわたし合わせて5人。 男の子神谷君と他4人。 計10人。 薄暗い小さめな部屋でギュウギュウと体が密着するほどに接近する。 こんなの初めてで、緊張で固まってしまう。 「茉里。 茉里っ 」 わたしの声は、部屋に流れる音楽が打ち消して行く。 「俺、瀬川 俊。 よろしくね。」 わたしの右隣のいかにもチャラ男っぽい男が声をかけてくる。 「わたし、深海聖也です。」 一応、自己紹介。 礼儀だよね。