「聖也、出掛けよう。 」 「え―――。 家でゆっくりしてたいよ~。」 「ダメダメ。 安定期に入ったんだから少しは動かないと。」 「車に乗って!! 」 「めんどくさいよ―――。 」 わたしはブツブツ言いながら、先生の後ろについていく。 しっかりと手は繋がっている。 車に乗り込むと、窓を全開にする。 涼しい風が車内に広がる。 外の景色を目で追う。 黄色く染まった街路樹がひらひらと舞い落ちる。