君に声が届くなら





「 …ッキャッ」




グラッと自転車が傾いて、
車道に飛び出した。




そのことに気がついたときには
もうすでに遅かった。




 フワァァァァッ




眩しいライトとクラクションの音で
頭の中が真っ白になった。




トラックとぶつかる直前に見えたのは
愛しい人が守ろうとしている背中だった