君に声が届くなら



 *****




「 …涼香っ 」



いつの間にか閉じていた目をあけると、
逞の顔がすぐそばにあった




どうやらわたしも寝てしまったらしい。



見渡せば真っ暗で、近い逞の顔を
見るのがやっとだった。




「 ごめん。
わたしまで寝てたんだね…」




そう謝ると、逞は気にすんなっ
そう言って優しくわたしの頭を撫でた。