「好きだよ」

私の耳元でこんなことを囁くこの男は私が今付き合っている人。

…別に好きなわけでもないけど。
相手のこの男だって私のことなんか好きでもなんでもない。

ただの身体目的だろう。

男なんてみんなそんなもん。

所詮は身体目的。

男なんて信用できない。



「美奈ちゃん、愛してるよ」

そう言い私をベットにゆっくり押し倒していく。

そんなコイツに嫌気がさした私は男を突き飛ばして言った。

「ウザい、別れよ」

そう言って近くにあった自分のバックを手に取り、素早く部屋を出た。



外に出ると12月だけあって冷たい風が私の体に容赦なく吹き付ける。

「…さむ」

私は自分の体を包み込むようにして歩く。

時計をみると時間は夜の11時を回っていた。