私の家は四人家族。
父と母、兄と私だ。
私が小学六年生の時だった。
ある日、父がとある千葉県の家を気に入り、購入。
今住んでいる神奈川県から引っ越す事が決まった。
当然、兄と私は千葉県の学校へ転校する事になる。しかし、私は六年生。微妙な時だった。
修学旅行もまだで、六年間クラスが同じ友達もいた。それに、例え転校しても、数ヶ月で卒業。特に仲良くなる事もなく、別れる事になるのだ。
あまりにむなしく感じた私は、父と母に頼み、神奈川県の小学校に通う許可を取ってもらった。
そして、私は学校を変える事もなく、千葉から神奈川の学校に通う事が決まった。
しかし、今考えると、この時の選択が、もう既に絶望への入口だったのかも知れない。