家の中はいつも薄暗く、 昼間でもカーテンが閉めてある。 妻が僕のことを避け始めたのは、 いつからだっただろう。 僕と妻・冬美の宝物、明が生まれたばかりの頃は、 仲の良い夫婦と言って間違いなかったと思う。 赤ん坊だった明と一緒に、 いつか三人で旅行へ行こうとか、 マイホームを持ちたいなんて、笑顔で将来の夢を語っていた。 だけど妻は、明のことを忘れ始めた。