「ちゃんと条件があるのよ」


会長さんが口を開いた。

「条件?」


社長さんが会長さんを睨む。



「タダでお嫁に来いっていうわけじゃないの」


ニコニコしながら会長さんは話す。



「学費も払うし、これからの進路も保証するわ。あなたの人生の邪魔はしないし、むしろ応援する。ただ、少し結婚が早いだけっていう話よ」



正直心がぐらついた。


高校は奨学金で行ってるけど、返さなきゃいけないし…

それに大学だって行きたい。


それを工面してもらえる…。








いかんいかん!



金に目がくらむなんてダメ!!!


最低よ葵!




あたしの頭の中は、すでにオーバーヒートしてる。