気がついたら誰もいなかった。
辺りには、複数の死体。
それも、無残な姿をしていて、それが誰なのかすら検討がつかなかった。
唯一わかることは、左手に青いリストバンドをしている死体が海貴のもであることだ。


「……海貴」


俺はその場からタオルを探し出すと海貴の頭に被せてやった。

なにがなんだかわからないそんなとき、携帯がなった。


「なんだよ。こんな時に……」