「すみません!!」
繭花のお母さんが走って戻って来た。

途端に悲しげな顔をした。

「すみません・・・・・本当に悠斗君の事分からないみたいです。なんでこんな事になったのかもそれだけ思いだせないんです。あの子。それ以外は全部覚えているのに・・・分からないのは悠斗君と事件の事だけなんです。だから、もしかして悠斗君が事件に関係しているとか?」

「そんなはずは・・たぶん・・ないと思います。俺、今日部活してたんで・・・・・」
「そうですよね・・・・すみません。いきなりへんな事言って・・・またお見舞い来て下さい!繭花・・たぶん喜ぶと思うんで。今日はありがとうございました。」

俺と母さんは家に帰った。俺は放心状態。まだ現実を理解できてない。

「悠斗・・明日学校行く?」
「あぁ・・・」

信じられない。信じたくもない。繭花が俺を忘れてる?
でも、現実を見なければいけない。俺はだんだん俺じゃなくなって行った・・・