――――バコッ その音と共に拓也の「イテッ」っていう声が聞こえた。 「いってーな、クソ。去り際ぐらい格好良く決めさせろ…」 そう言いながら、頭に当たったであろう物を拾う手が止まる。 「コレ……チョコ?」 あたしはおそらく真っ赤であろう顔でこくりと頷く。 「義理ならいらねぇぞ…」 俯いたまま勢いよく首を振った。 しばらくして… ガサゴソという音が聞こえ、あたしは顔をあげる。 「あ…」