「俺は…お前のこと…好きだよ」
「―――ッ、」
「いつもからかってばかりだけど…
それはそうやってお前といるのが楽しいからで…
本当は今日、お前からチョコもらえるのちょっと期待してた。
でも…お前全然俺のほうこねぇし。
来たと思ったら好きな子んとこ行けって。
貰ってこいっていうし…
やっぱ、俺の片思いだったよな…」
そう言って悲しそうな顔で笑った。
違うよって。
あたしも拓也が好きなんだよって言いたい。
でも意思とは裏腹に涙ばかりが流れてくる。
それを拓也はどう受け止めたんだろう。
背中をあたしに向けて歩き出す。
行っちゃう。
拓也が行っちゃう。

