動こうとして、後ろに下がったら…


ガチャン―――


消火器にあたってしまった。


「隠れてないで出てきなよ。」

「あのぅ…今のは、けして盗み聞きとかでは…」
ヤバいな。うっ……

「居るの知ってたけど。わざと知らないふりした。」
と言いながら、ニカッと笑った。

随分イタズラな笑い方するんだな。

これはモテるな。うん…

「どうした?真剣な顔して。」
「いゃ、モテるな~、って…何言ってるんだろ。」


「プッ、面白いね。咲希!」


―――――えっ。



今あたしの名前呼んだよね…
なっ、何で知ってるの?