〔完〕あなたと過ごす季節

「いい加減、笑うのやめようよ。…じゃなくって!
涼って最初からそんなキャラだったっけ?」


初めて逢ったときはもっと礼儀正しくて、王子サマみたいな上品さがあったのに。

今は口が悪いし、照れ屋さん。


「あー…、あれは…その…。」

「何?ハッキリ言ってよ。気になるじゃん。」


言葉を急かすとフイッと横を向いて、


「…緊張してたんだよ、桜と話すのにさ。」


ボソッと呟くように言った。