透明なビニール傘を一本挿して。 片手には、もう一本別の傘をぶら下げて。 びしゃびしゃと音を鳴らしながら走る。 グランドについて息を整える私に、彼は気付く様子もなく黙々とゴールにボールを放つ。 息を乱しながら、雨か汗かわからない雫をあたりにまき散らしながら。 ただひたすらに、ゴールに向けて。 じくん、とまた傷んだ胸。 私はゆっくりと彼に近づき声をかけた。 “ 馬鹿なの? ” 第一声がそんな問いかけだなんて、我ながら最低だと思う。