「ねぇ、キスしてもい…」
「ダメに決まってるでしょ、ばか」
近づいてきた連の額を叩く。
ぺちっという音と、いてっという連の声。
ああいう風にいうと、連は調子乗るんだから。
「…ケチ」
すねた子供みたいに、体を離して呟く。
「ガキ」
そんな連が素直に可愛いと思う。
それで、こんな連を見せてくれるのが私だけであって欲しいと思う。
…だんだん独占欲を抑えきれなくなった気が…。
と、急に驚いたような顔をした連が口をあけようとした時、私の横を通り抜けるようにして瑞穂が出てきた。
「目立ちすぎ。ほい、鞄」
え…?なんで、瑞穂がいるんだろう。


