「ちょ、待てよ。灯って立花灯じゃないよな。当たり前にそうだよな」
「いや、立花灯だよ。俺の好きな人」
俺の言葉にまた大声を上げた。
「お前、正気かよ。よりによってあの人?」
「なんだよその言い方、灯はかわいいよ。おまえらが知ろうとしないだけ。」
ふうと息が漏れる音。
「好きなん?」
携帯のストラップをいじる良樹。
「好きだよ」
良樹を見て俺ははっきりと言う。
「…じゃあ、ひとつ忠告」
手を止めて、顔をあげた良樹。
その顔は見たことのないくらい真剣だった。
「彼女、一部から人気があるんだ。大部はそうじゃないけど、そいつらは陰から彼女を見てるらしい。気をつけろよ。あいつらにバレるな。バレたら、何するか分らないからな」
「どうゆう事だ?何するか分からないって…」
「立花先輩に手を出すかもしれない、それかお前か…本当に何をするかわからないんだ」


