偶然を装って彼女に会いに来た

初めて笑顔を見た

傷を隠してけなげに笑う彼女に、告白まがいのセリフを吐いた


アイツ以外にも男はたくさん居るって事に気づかせたくて

ついでに俺の好意も伝えたくて


冗談で触れた髪

俺に触れる彼女の指

背筋をなで上げられるような声




全てが俺をばかみたいに焦がれさせた


彼女の目を見つめればその瞳が揺らぐ

やわらかそうに夕日と同じ色に染まる唇に、芯から性欲をかきたてられる


触れたい

俺の方が理性が保てない



彼女の心を振り向かせたくて



一度目のキスは彼女が「あみ」の名前を出して俺の理性を引き出すと、唇を指で押されて拒まれた


相手が俺じゃなくてアイツならきっと拒まないんだろう


そんな嫉妬と


モラルを守れた


そんな安堵と


相反する二つの感情