図書館に向かいながら春樹に忠告された事を反芻した

アイツに言われたこと

“そんなんじゃない”と否定したけど本当はわかってる

さきちゃんに個人的に会いたいと思ってる


自分自身、フレンドリーな性格だし、女友達もいる

常に一緒に遊べる女の子がいて、彼女が欲しい!と切望したことはない


なのに


わざわざトラブルを抱えた女にかかわっていく程正義感が強いわけでもないくせに…


気軽に恋愛を楽しむのがモットーだと思ってたのに


自嘲気味に鼻から息を吐き出すと図書館のドアを開けた


面倒な相手との恋なんて、めんどくさい

どこかでそう理性が働いているのに……

目が陽を背中に浴びて座る彼女をとらえると


突然に心臓が高鳴った





まいった


これは


ただの恋だ