あみが笑いながら「お姉ちゃん」と返答して俺はかたまった

「え?」

「姉ちゃん、どこの大学?」

「……ああ!そういえばとうまと一緒だね」

「学部は?」

「教育学部」

「普通もっと早く言うだろ」

「なんで?関係ないじゃん」


……俺はねそべってるあみの背中を憎らしげに見ると、春樹の言っていたことを思い出した


「なあ、さきちゃんさ、彼氏いる?」

「うーん」

「彼氏と長いの?」

「うーん」


寝そべって返事するから間延びして緊張感のなさが半端ない


「どんな奴?」

「どんなって…普通の大学生」

「優しい?」

「知らないよ、そこまで」

「さきちゃん、怪我が絶えないタイプ?」

「はあ?さっきから何聞いてんの??」


あみが文字通りの質問攻めに苦笑している


「いつもどっか痛そうとか」

俺が更に聞いても

「何それ?」

と返されて、

結局大いに不審がられただけで大したことは聞き出せなかった