「そんな慌てんなよ、誰か待ってるわけ?」


まことが少し笑ってこっちに向かってきていた


「ちょっと、赤くなってんな」

自分でしたくせにまるで関係ないみたいにアタシの顔に手をのばして触れた

一瞬で血の気が引く


「もう朝の話の続きはしねーの?


諦めた??」


ポケットに両手をつっこんでアタシを挑発するような目つき

アタシは首を振ってまことを見た


「じゃあ、聞いてやるから来い」


首を動かしてどこかに促そうとした


「ここじゃ、ダメなの?」


「ずいぶん長い時間ここに居るけど……

加賀見とうまだっけ??

待ってるのはそいつ?」



まことは近づいてくると少し声をひそめた



「そもそもここに来んの?

一回ヤッたら

お前に興味なくなったんじゃね?」



かばんを強く握り締めて意識を強く持つ





こんな人と付き合ってた自分に

苛立ち

こんな無神経な人に

もう泣かされたくない