「別れを切り出したら殴られた?」

アタシはうなずいた

「そっか・・・じゃあ、次は俺も一緒に行くから」

アタシの髪を整えるように撫でると、そのまま手を握ってくれた

その手を見つめる

「他の事は気にしなくていいから……とにかく、アイツと二人になることだけは避けろよ?……わかった?」

アタシは再びうなずいた


微笑んでこっちを見ている彼が「何があってもさきのそばにいるから」と言って、またアタシの少しの不安を取り去ってしまった

この人は、どこまでアタシの望んでいる事をかなえてくれるんだろう

アタシはテーブルにお尻を預けて立っているとうまくんの前に立つと肩にもたれかかるように寄り添った

受け止めてくれる腕は頼りがいがあって、ぬくもりとともに(大丈夫)って言われてる気がして離れたくなくなった

「とにかく、今日の帰りも一緒に帰ろう、大学ではじめて会った庭のベンチのとこで待ち合わせ」

「うん」

アタシは一秒でも長く触れていられるようにゆっくりと時間をかけて体を離す

「絶対待ってろよ?」

「うん」