図書館の扉がしまる重い音

いつもなら安心感を覚える本の香りが今日はわからなかった


人がまばらに座っている


誰からも死角になるような棚の奥まで引きずられると、髪をひっぱり顔を持ち上げられて激しいキスを受け止めた

怒るとまず暴力を振るうのに、こんなことははじめて・・・・・

遠慮なく絡められる舌に抗わずに息を潜めていると、髪をつかむ指に力がはいって痛い

「ん・・・・・っ」

と小さく声をあげてまことの腕をつかむと、唇が離れて・・・・・・

髪をつかむ指にますます力が入ってアタシはそのまま床に引き倒された

床に手をつき四つんばいになるような体勢になる

ふくらはぎを蹴られて脳にまで衝撃が走る

腰の辺りを足の裏で押されて床に座り込むような体勢をとらされると。片手で胸倉を苦しいほどひねりあげられた

怖くて目をそらす

髪だけじゃなく頭ごとひっぱって無理やり顔を上げさせられた

痛くて目を閉じた

「お前、あいつに何か話した?」

怖くて声が出ない

必死で首を振る

「じゃあ、“自分の女にくらい優しくしろ”ってどういう意味?」


アタシは、だって

何も言ってない・・・・


また首を振った