とうまの背後に見えていた頼りないほどの細い月がぐらっと揺れて 彼の腕の中にいた 「俺の家行こうよ」 「ダメ、今日は泊まるって言ってないもん、怒られる」 耳元でため息 「さきーー なんか俺もう こんな余裕なくなるのはじめてなんだけど」 子供みたいでおかしい 「なんか、男を骨抜きにするフェロモン出してない?」 あきれたようにそういうと、アタシのおでこにチュッとキスをして離れた 「連れて帰りたい、やっぱ」 「ダメ」