驚いて体を離すと距離をあける


「さきちゃんはねえ、あんな男と付き合ってたから健全な男の欲望ってやつを知らないんだよ」


疑るような目で見つめると、とうまくんがにこっと笑った



「ま、いいや、これから俺が教えてあげるから」

「ん??」

「楽しみでしょ?」

「……全然」

「そ?俺はめちゃ楽しみ」



歩き出す彼について歩く


「さ、いこっか」

「どこに?」

「買い物~」


間延びした返答と、かもしだす空気がすごくあったかくて、それだけでキュンとなる



これからアタシ……



ここにいていいの??

隣を歩く彼の横顔を見た

そんなアタシの視線を感じてこっちを見ると「ん?」と優しい顔



そんな一文字で、彼はアタシの居場所を作るんだ