聞こえるまことのため息 「さっさと行けば?」 その声に顔をあげると、まことの目にいつものつめたい色が戻っていた 「お前に優しくしなかったのは俺だし、お前に優しくしたのはアイツだし」 アタシは優しくして欲しかったの 「行かせたくないから、キスでもして誘拐したいけど そこで盗み聞きしてる趣味の悪い奴連れてサッサと消えろ」 「え?」 まことがあごでしめした柱のほうを見ると人影がのびている アタシは胸が熱くなるのをおさえて、そっちに歩みをすすめた