思いっきり両腕を振り払うと、反動でまことの顔を平手で殴っていた

乾いた音が響いて、その事実にアタシの方が驚いてしまって、自分の右手を凝視した

まことは何が起こったのかわからないという目でアタシの顔を見ていた


「ご…ごめ…」


まことがもう一度アタシに近づくと、両手をつかまれたときに下に落ちた小箱を拾ってその中身を取り出した

そして縮こまっているアタシの背後にまわって、ネックレスをアタシの首へと巻きつける

じれったい時間が一瞬二人の間に流れると

そのまま腕がのびてきて、きつく抱きしめられてしまった


「さき……」


耳元で彼の声がきこえる


「これから優しくする」

「…ごめ…なさい」

「もう傷つけない」

「ごめんなさい」

「さき」

「ごめんなさい」


アタシはまことの腕から逃れて振り返った