「行かせたくない」





息がかかってくすぐったい


首筋に唇が押し付けられて、体の芯がうずく



「あ…待って……」


まことからの電話で現実が押し寄せてきたアタシはとうまくんから体を離した


「話してくる

ちゃんと

今度こそ」


アタシははっきりとそう言った


アタシにしっかりと意思を伝えてくれたあみと

こんなアタシを抱きしめてくれるあなたと

そしてあんな風にしてしまった彼に



アタシは、自分の足でちゃんと立ち向かってケリをつけないと終わらない


でないと、大事な人達をまた傷つけてしまうかもしれない


逃げちゃいけない


大好きな人達のために……!!


そしてアタシはとうまくんにギュッと抱きついた




勇気でた




驚いた彼がアタシの髪をゆっくりと撫でてくれた

そして「待ってるから、一緒に帰ろう」って一言で、アタシはまた包まれる



「うん、一緒に帰ろう」



そう言ってアタシはしっかりとカバンをつかみなおすとその部屋を出た