ピッと指を突きつけて
言うと、くるみは『ハイ
ハイ』って感じの顔で
舌を出している。





だが、オレがその顔を
見たのもほんの一瞬だ。





オレはコートを広げて
羽織ると、1秒の時間も
惜しむように、全速力で
部屋を飛び出した――…。






     ☆☆☆☆☆



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