王子はこともなげにそう
言うと、クルリと踵を
返して歩き出した。





でもあたしが立ち止まった
ままなのに気づいて、
すぐに振り返ってもう一度
呼びかける。





「何してる。

早く来い―――聖奈」





「…………ハッ、ハイ!!」








まぎれもなくそれは、


数ヶ月ぶりの新しいドール
誕生の、瞬間だった――……。






     ☆☆☆☆☆




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