ハッキリと通る、高い声。





初めて聞いた、きっと腹の
底からしぼり出してるんだ
ろう、聖奈の声だった。





オレはとっさに言葉が出ない。





黙ったまま見つめる
視線の先で――…






聖奈は、泣いていた。






「あたし達は、ドールだけど……


でも、本物のお人形
なんかじゃない……」





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