――桜の花びらが舞う頃




私は此処から始まった。






「……、…んー…と…」



何かおかしい…よね?



辺りを見回して、ゆっくりと目線を手元にある紙切れに落とす。

そしてもう一度顔を上げて、辺りを見回すの繰り返し。



(…えーと、ここ、どこだろう)



肩を落として、盛大に溜息を吐いた。



おかあさん達…、このメモ、使えない。

手元にある小さな小さなメモみたいな紙切れには、この辺りの地図らしき図が描かれている。


だがしかし、忘れてはならないのがこれを描いたおかあさんは絵が下手くそということ。だから、その図はもちろん解読不能。



忘れていたのは私だけど、…あぁ、やってしまった、とまた溜息。





(…やべー、ここどこだろうまじで。)



どうせならタクシーにあそこまで連れていってもらえば良かった。

何で途中で降りちゃったかなぁ…、ほんと私って要領悪い。



自分の腑甲斐なさに落ち込んでいると、急に後ろからけたたましいクラクションが飛んできた。びっくりしすぎて心臓飛び出るかと思った。



は!と道のど真ん中につっ立っていたことに気付き、慌てて端に寄ると車はびゅんっと私の横を通り過ぎて行った。

運転手に舌打ちされたけど。




「…はぁ。」



さあて、どうしましょうか。