私の発言に、彼は目を真ん丸くさせて私を見つめる。
――私が探している桜乃宮学園は、私立の中高一貫学校。
中等部と高等部があるらしくて、私は明日からその高等部に通うんだ。
でも下見にも来ていなかったせいか、勿論場所もわからず。そして現在に至るというわけ。
「…ど、うでしょうか…?」
もう一度おそるおそる訊ねる。でもこの人知らなかったらどうしようかな本気で。
…。…野宿かな……。
「…知ってるよ」
「………っえ!?」
期待していた言葉に驚いて思わず目を見開いて凝視してしまった。
彼は驚きも何もなくて、先程よりも落ち着いた表情で冷静を保っている。
いま…!
今知ってるって言ったよねこの人!!
「まじですか!!あ、あのもしっ、もしも、もしもなんですけど、もしよろしければその、…つ、連れていってもらうことってできませんでしょうか…!」
だって。
こっからどう行けばいいのかとか全くわからないんだし、考えても見知らぬ土地に勝てる訳もない。
この人に見捨てられたら私は野宿生活になるんだ…!!!!

