「まあ、なんてーか。いつの間にかDybbukが原住民の伝説の化け物の名前になっちまっててね」

「どんな奴なんだ?」
「伝説ではぁ~……」

 ルークは思い出そうとするように、1つ目をやや上に向け話し出した。

「死を恐れず、敵に向かって果敢に戦い叩きのめす。一切の慈悲も無く、その緑の瞳を輝かせる。だったかな?」

「……緑の目?」

 眉をひそめた白銀に、ルークはプラプラと手を振った。

「あールジランたちには、明るい緑は良くない象徴なんだとさ」

「へえ」

 てな訳だからさ、もうちょっと待っててくれよ。と、ルークに言われ仕方なく船に戻る白銀。

 事情を話すと、ディランたちも納得し溜息混じりに各々が自由にした。

「しかし、なんだって突然そんな化け物が出たなどと騒ぎ出したのじゃ?」

 ナナンの疑問に、白銀も確かにそうだと思った。