「何か用か?」

 白銀が怪訝な表情を浮かべると、声をかけてきた男がおもむろに懐から何かの画像を出してきた。

「この男を捜している。見かけなかったか?」

「……知らないな」

 渡された画像を見た後、そう応えながら返した白銀。

「本当か?」
「嘘じゃない」

 画像の人物は、金髪のショートヘアに鮮やかな緑色の瞳の青年だった。

 地球人のようだが、確かに見た事の無い人物だ。外見は同じような年格好に感じた。

 暗めのスーツを着た男たちは、それを聞くと足早に去っていく。

「なんだったんだ?」とディラン。
「さあな」

 白銀たちは、宇宙港に戻り自分たちの船に乗り込んだ。

 個人が持つには大型の宇宙船。やや無骨な造りだが、完全オーダーメイドの白銀の宇宙船は彼が決まった住居を持っていない事を窺わせる。