シルヴィは、ルシフェルを崇拝する『サタニスト』たちの手によって、その悪魔を召喚させるために利用されかけた。

 彼らの活躍で、サタニストたちの計画を阻止出来た訳である。

 説明がやたら長くなってしまったが、彼らがいるのは観光惑星『ルジラドリトア』

 未だ原住民が平和に暮らす惑星だ。とはいえ、観光客相手にしている原住民も少なくはなく、そのままの生活をしている地区と観光案内をしている原住民の血を引く人たちが暮らす地区が自然と区切られる事となった。

「で、ルジランの集落には行くの?」
「俺が来たかった訳じゃねぇ……」

 白銀は眉間にしわを寄せてディランの問いかけに応えた。

 この惑星は今までも何度か訪れている。集落にも行った。

 現状ではさして目新しいものも無いのに、どうして俺が希望した事になってるんだ……

「おい、そこの一団」
「!」

 ふいに後ろから声をかけられる。振り返ると、地球人らしい男たちが重々しく口を引き結んで白銀たちに目を向けていた。