「解った。そこから動くなよ」

 聞いて、大体の位置を把握しペロリと唇を軽く舐めて駆け出した。

 すでに5人、倒して縛り上げてある。残りは25人ほど……全てを相手にしていたらこちらの武器が底を突く。

<西に5人、誘導する>
「解った」

 白銀は、いつ敵の影が見えてもいいように銃を構えて辺りを窺った。

「! 音が近くなってきた」
<注意しろ>

“ドカン!”

「! なんだ今の音は?」

 すぐ側で聞こえた爆音に白銀は一瞬、体を強ばらせた。

<トラップにひっかかった。3人だ>

 2人倒したのか……あっけにとられながらも、白銀は目の前に出てきた影に引鉄(ひきがね)を引いた。

<東に4人、誘導する>
「わっ!? こっち来んの!?」

 エイルクは慌てて銃を握りしめる。そんな少年の肩を、ディランはポンと叩いた。

「大丈夫だよ」
「……うん」