そうこうしている間に、数機の小型艇が遠くの方で降り立った。

<相手はおよそ30人。引き締めていけ>
「30人!? 多くない?」

 驚くディラン。確かに、ベリル1人を相手に30人というのは多すぎる気がする。

<予定通りの数だ>

 どんな予定立ててんだよ……白銀たちは心の中でツッコミを入れた。

<私が奴らを攪乱(かくらん)する。お前たちは2人一組で目の前に来たら攻撃しろ。私を撃つなよ>

 言ってすぐ、叫び声と戦っている音が響いた。

「わっ!? もう始まってんの?」

 エイルクは慌ててラインガンの安全装置を外した。

「行くよ」

 ディランがいつもとは違った無表情な顔でエイルクを促す。さすがは元銀河連邦員だ、いざという時は頼りになる。

 白銀はラインガンを片手に1人で駆ける。リャムカは師であるナナンからは絶対に離れないので、白銀が単独になるのだ。

<大体の位置を教えてくれ>
「俺は多分、あんたから西にいる」
<オイラたちは東だと思う>
<我々は北だ>